起きた。
空は曇っていて今にも雨が降りそう。
ここのところずっとこんな天気だ。
だから、ぼくの頭の中も雲がかかったようになっていて、眠い。
11時半-----
ヘルシンキブックフェアに向かう。
どんなイベントなのかは分からないけれど、本やマンガが集まっているらしい。
トラムで行く。
音楽を聴きながら湿ったヘルシンキの町並みを眺めていると、おばあさんに肩を叩かれた。
「キートス(ありがとう)」
「?」
席を譲ってくれってことなのかな?
と思ってみてみると、手にバーコードを読み取る機械のようなものを持っている。
ああ、あれだ。
無賃乗車のチェックだ。
ヘルシンキのトラムは事前にチケットを買っておくか、運転手さんから買うか、トラベルカードを使うかして乗る。
また、バスのチケットなどを持っていれば、購入した時間によってはそのチケットで乗ることが出来る。
つまり、トラムには乗る方法がたくさんあるから、誰がチケットを持っていて、誰が持っていないのかよく分からない。
だから無賃乗車も簡単に出来てしまう。
それを取り締まる係りの人がいるのだ。
4人組でトラムの前と後ろの出入り口をふさぎ、みんなのチケットを確認する。
ぼくは緊張しながらトラベルカードを出した。
トラベルカードの使い方が間違っていて、無賃乗車になっていたらどうしよう……。
そう思うと手が震えた。
ピー。
機械に出るOKの文字。
ぼくは大丈夫だった。
珍しい経験をしたな、と思った。
ヘルシンキブックフェアの会場に到着。
以前、ヘルシンキデザインウィークで来た場所と同じところだ。
パセラ駅近くのイベント会場。
中はこんな感じ。
たくさんの人で賑わっている。
ぼくは会場を一通り歩き回って、フィンランドの出版事情が何となく分かった気になった。
読めないものでも、本があるとうれしくなるのはなぜだろう。
ぼくはムーミンの英語版と鳥の絵を4枚買った。
鳥の絵は図鑑に使われているような絵が、とてもきれいな印刷で大きな厚紙に刷られている。
紙は古くなって黄ばんでいる。
浮かび上がるような小鳥の絵がとても素敵。引き込まれる。
ぼくは何百枚と積まれた絵の中を、一枚ずつ丹念に調査して、ついにスズメの絵を見つけることに成功した。
日本にもいるスズメとフィンランドのスズメの二種類。
日本に帰ったら、この絵を額に入れて飾るんだ。
15時-----
何と、帰り道にもトラムのチケットチェックに遭遇した。
二回目だから余裕だぜ。
帰宅して、遅い昼ごはんを食べる。
19時-----
日本の研究室の後輩と研究の話。
順調に進んでいる。
21時-----
晩御飯。
ナスの味噌炒め。
ユーリオによると、今日から冬時間の始まりらしい。
時間が一時間遅くなるとか。
日本人のぼくにはなじみの無いシステムなので、混乱する。
22時-----
執筆活動再開。
まどろみ探偵シリーズの新作「くすぐったい道」を書き始めた。
2時-----
寝た。